(MEMSとの遭遇)
新しい発明に感激させられることはよくありますが,思い出深い一例にMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)があります。初めて見たのは,雑誌の表紙にあったシリコンウエハーに作り込まれたガスクロマトグラフでした。
MEMSでは,シリコンの微細加工技術により,センサー・アクチュエーター,電子回路をはじめ光回路や音波回路,流体回路も作り込める技術と感じられました。結局はそうはならなかったのですが,その時は,シリコンICの再登場といった位の衝撃を受けました。
(MEMSについての楽しい妄想)
電子とフォトンとフォノンをキャリアとするハイブリッド回路技術の出現という妄想も待ちました。材料のハイブリッド化の提案もありましたが,珪石器時代といった言葉もあり,光回路ではシリコンに透明度がある波長を選ぶ方が好ましく思われました。
シリコンはフォノンに対しても相性が良いように思われました。シリコンの微細加工技術によれば,散乱を受けない,いわゆる弾道フォノンの実現も可能で,デバイスのヒートマネジメントにも新たな可能性があるように思いました。
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