ソニーは細胞分析装置(フローサイトメーター)の新商品として,新開発の3次元(前後左右,上下)に駆動するオートサンプラーを搭載した.スペクトル型セルアナライザ「SA3800」を8月から発売する(ニュースリリース)。 価格は1,700 万円~(搭載レーザ等のシステム構成により異なる)。
この製品は,簡単操作と全自動解析の特長に加え,新開発のオートサンプラーにより高速な解析処理性能も実現した。
フローサイトメーターとは蛍光試薬で染色された細胞にレーザ光を照射し,蛍光や散乱光の情報を計測することで細胞の種類,状態を解析する装置で,免疫学やがん,再生医療などの細胞研究や医薬品開発などに広く活用されている。
特に創薬,バイオマーカー発見など多種類の細胞の計測が必要となる研究分野では,多数の検体を高速に効率良く,正確に計測することが求められている。
一般的なオートサンプラーでは,サンプル容器が水平方向のみに駆動し,サンプル吸引プローブが上下に駆動することで,複数のサンプルを採取する。この場合,サンプルが計測部に到達するまでの距離が長くなるため,処理スピードや,前に測定した細胞が次の測定に混入する割合(キャリーオーバー率)に課題がある。
新製品に搭載した新開発のオートサンプラーでは,固定したサンプルプローブに向かって,サンプル容器を3次元(前後左右,上下)に駆動させることで,高速な処理スピードを実現した。
プローブ内の自動洗浄機能と組み合わせることで,キャリーオーバー率を0.1%以下に抑えており,多検体測定に求められる,高速かつ安定的なサンプル採取が可能となっている。