ダウは,損傷閾値が13.3GW/cm2 @1064nmと向上したARコートのロシア製LBO結晶の販売を開始した。
SHG(532nm),THG(355nm)についても損傷閾値を大幅に向上させている。このARコートの損傷閾値向上に向けては①5ppm/cm (0.0005%/cm) 1064nmの超低ロス化の実現,②スーパー研磨で結晶欠陥を最小化・機械化(一般研磨は表面下に結晶欠陥発生),③IBS法ARコートを採用,④ARコート装置の環境をクリーンルームにし,結晶研磨面の付着物をなくす,などを図った。
このロシア製LBOをビーム品質(縦モード)の良いファイバレーザに使用して平均出力100W~1kWのグリーンレーザおよび数百WのUVレーザの実現も期待されている。なお,このLBO結晶メーカと同社はSHG・THG・FHG(266nm・LBOで可)の波長変換の設計技術にも詳しいので,工場のレーザ加工設備関係者にも波長変換が出来るよう詳細な設計情報も提供する。