森精機,レーザー金属積層造形機の販売を開始

DMG森精機は,従来機に比べ積載容量の拡大と高精度な積層を実現したSLM(Selective Laser Melting)方式のレーザー金属積層造形機「LASERTEC 30 SLM 3rd Generation」の販売を開始したと発表した(ニュースリリース)。価格は1億3130万円(税別)。

近年,幅広い業界で製品開発スピードが加速し,新しい製品や部品が短期間で製作,販売されるようになっている。そのため,複雑形状の部品をスピーディーに加工できるAMの需要が年々増加している。さらに必要な部分にのみ積層を行なうアディティブマニュファクチャリングは,無駄な切りくずの発生を低減させるため環境にも配慮したサステナブルな加工方法となる。

この製品は,同社の工作機械の設計ノウハウを反映し,試作品製造だけでなく量産加工にも活用できるよう開発した。具体的には同社の金属積層造形機としては初めて,熱対称構造の鋳鉄製フレームを使用することで高剛性を実現した。Z軸にはマグネスケール製スケールを搭載し,位置決め精度を向上させているという。 

これらの技術は同社の工作機械の設計では標準採用されており,この製品においてもこれらの技術を盛り込み,機械構造から見直したことでさらなる高精度な積層造形を実現したとしている。

80μmのレーザースポット径と積層エリア全体に対応する高精度光学モジュールを採用しており,従来機よりも1.5倍拡大した325×325×400mmの積載容量で積層造形が可能となっている。最大1000Wの出力のレーザー発振器を最大4台まで搭載でき,造形スピードの向上も可能だという。

その他,安全で迅速な材料交換を実現するパウダーモジュール「rePLUG」や,機械の操作を容易にするガイド付きワークフローを備えた「CELOS X with easyAM」により,安全性や操作性,メンテナンス性を兼ね備えているという。

同社のレーザー金属積層造形機「LASERTEC DED hybridシリーズ」に使用されている「パウダーノズルボディー」の切削加工をこの製品に置き換え,ハニカム構造のデザインを採用して設計したところ,部品数を95%削減し,60%の軽量化ができ,引張強度も向上できたとしている。

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