出光興産は,韓国SK materials JNC CO., LTD.と,有機EL材料である,ホウ素系蛍光青色ドーパント材料と,ホウ素系蛍光青色ドーパント材料に最適な蛍光青色ホスト材料の共同開発を目的とした覚書(MOU-Memorandum Of Understanding)を締結した(ニュースリリース)。
ドーパント材料は,有機EL素子の発光層に適切な量を加える(ドーピングする)ことで,発光色を制御する役割を果たす物質。高性能青色ドーパントにより,高効率で広色域なディスプレーの実現が可能になる。
また,ホスト材料は,有機EL素子を構成する発光層を形成する材料で,高い電気伝導性を持ち,ドーパント材料を均一に分散させる役割を担う物質のこと。低消費電力化や高耐久性を実現するための重要な機能を果たす。
今回出光興産が提携するSK materials JNCは,韓国のSKマテリアルズと日本のJNCが2020年に設立した合弁会社。ホウ素系蛍光青色ドーパント技術に関する基本特許をベースに,関連アイテムの研究開発から生産・分析・素子評価・品質管理までのトータルソリューションを提供している。
両社は今後,両社が保有するホウ素系蛍光青色ドーパント材料およびホウ素系蛍光青色ドーパント材料に最適な蛍光青色ホスト材料に関する技術・知見・特許等を活用し,新規材料の共同開発に取り組むとともに材料評価で協力していく。
今回の共同開発により,高性能な有機EL材料をいち早く世の中に提供することで,有機ELディスプレーの進化に貢献することを目指すとしている。