古河電気工業は,ハイパースケールデータセンタやエッジデータセンタにおける次世代CPOネットワークスイッチ装置の実現に向け,ブラインドメイト光コネクタを内蔵した16チャンネルの外部光源を世界で初めて開発した(ニュースリリース)。2024年4月以降にサンプル出荷を開始し,2025年度以降に量産を開始する予定。
クラウドサービスや5Gなどの新しい情報通信サービスや生成人工知能(AI)および機械学習(ML)の進展により,全世界のデータ量は毎年約30%増加しており,ハイパースケールデータセンタやエッジデータセンタにおける高速なデータ処理や電力消費量が大きな課題となっている。
これらのデータセンタにおいては,ネットワークスイッチ装置が大きな役割を果たし,広帯域化と消費電力の改善を可能とするCPOを用いた次世代のネットワークスイッチ装置内の導入が期待されている。
CPO外部光源には,多チャンネルで高い光出力特性とアイセイフティの担保が求められており,2023年8月にOIFが発行したCPO用の外部光源の仕様であるELSFP IAにおいても,光接続を電気接続と同じ面に配置し,筐体の外に光が出力されないブラインドメイト光コネクタを内蔵した構造を採用している。
チャンネル数は最大で16となっており,ハウジング内部にはTOSAや偏波保持ファイバ,光コネクタ,制御回路を,それぞれの特性を劣化させることなく高密度に実装することが必要となる。
今回開発した16チャンネルブラインドメイト型外部光源には,同社製の高出力DFBレーザー素子と光学部品を高密度に実装した8チャンネルTOSAを2台搭載している。8チャンネルTOSAのサイズは22.5mm(長さ)×13.0mm(幅)×3.3mm(厚み)と小さく,TOSAの偏波保持ファイバは曲げ損失や偏波消光比の劣化なくハウジングに収納できるようにMTコネクタまでの長さを短く調整している。
この製品の駆動特性は,ハウジング温度範囲25℃~55℃において,全チャンネルで100mW以上の光出力特性と,20dB以上の偏波消光比を達成しているとしている。