トルンプはマシン事業部門やレーザ事業部門を始めとする4部門のうち,エレクトロニクス事業部門における事業戦略を発表,この中で宮城県に半導体分野向け需要を見込み,テクニカルセンターを開設すると発表した。
同社のエレクトロニクス事業部門では半導体や太陽電池,ガラス,ディスプレー,産業用コーティングといった分野向けに各種のプラズマ励起用ジェネレーターの製造・販売を行なっている。同ジェネレーターはヒュティンガが手掛けていたもので,トルンプは1986年に同社と協業を開始し,1990年に子会社化。その8年後にヒュティンガ・ジャパンが設立されている。2013年にはトルンプ・ヒュティンガと社名が変わったが,2019年に完全吸収し,一事業部門となった。
トルンプが事業展開するプラズマ励起用ジェネレーターはその多くが半導体製造装置向けで,次いで太陽電池とコーティング向けに供給しているという。日本におけるこの部門の事業は2019年より急成長しているとし,数億円程度であった売上が2023年発表時点で数十億円規模に拡大しているという。
この製品分野では,レーザー用光学部品やカメラ,眼鏡などのコーティングも対象となっており,適用分野が幅広いのが特長だ。今回の発表では特にけん引役となる半導体分野での成長を見込んでおり,SiCデバイス製造向けに注視しているという。
同社代表取締役社長の高梨真二郎氏はエレクトロニクス事業部門について,「計画では5年後にはマシン事業部門と同等の売上規模を目標としている」とその成長を期待している。
トルンプは2023年度の売上高が対前年度比27%増の54億ユーロ(グローバル)となっているが,日本法人の売上構成比率では約50%がマシン事業部門,約20%がエレクトロニクス事業部門となっているという。残りの約30%がレーザ事業部門が占めていることになる。
今回,同社エレクトロニクス事業部門としては初めて,2023年12月13日に開催されるSEMICON Japan2023に出展することもアナウンスされた。なお,前出の宮城テクニカルセンターは2023年12月8日にオープンする予定だ。