三菱電機は,パワー半導体の製造(ウエハープロセス工程)を行なうパワーデバイス製作所 福山工場に,12インチSi(ケイ素)ウエハー対応生産ラインの設置を完了したと発表した(ニュースリリース)。
近年,脱炭素社会の実現に向け,電力を効率よく制御するパワー半導体の需要が拡大している。パワー半導体は,電気自動車,エアコン等の民生機器,産業用機器,再生可能エネルギー,電鉄などの製品に広く使用されており,需要拡大にも対応し,安定的に供給することが求められている。
同社は,Siパワー半導体のウエハープロセス工程における生産能力を2025年度に2020年度比で約2倍に増強するため,生産効率に優れる12インチウエハー対応生産ラインの導入によりパワー半導体の生産能力を増強し,市場への安定供給を狙う。
この生産ラインで製造したウエハーを用いたパワー半導体チップを試作・評価した結果,設計どおりの性能が得られたことを確認したという。同社ではこの12インチSiウエハー対応生産ラインを,公表どおり2024年度から量産移行する予定だとしている。