富士フイルムは,電子材料事業をさらに拡大するため,欧州の半導体材料工場の製造設備を増強すると発表した(ニュースリリース)。
半導体は,5G/6Gによる通信の高速・大容量化、自動運転の拡大,メタバースの普及などを背景に,年率約10%の市場成長と高性能化の進展が見込まれている。同社は,電子材料事業をさらに拡大するため,積極的な設備投資を行なっている。
現在進行中の中期経営計画「VISION2023」(2021-2023年度)では,電子材料事業において研究開発と設備投資をあわせて1,100億円(3年間累計)の成長投資を計画。CMPスラリーの生産設備の導入(日本)やイメージセンサー用カラーフィルター材料の新工場の建設(韓国)などを決め,最先端半導体材料の生産能力の増強を進めている。
今回,半導体材料の欧州現地法人であるベルギーのFUJIFILM Electronic Materials(Europe) N.V. に製造タンクや品質評価機器を導入し,半導体製造プロセスの基幹材料であるポリイミドや,現像液やクリーナーなどのフォトリソ周辺材料など最先端半導体材料の製造設備を増強する。
また,クリーンルームを増設するなど,新製品の開発加速や顧客への技術サポートのさらなる強化に向け,研究開発や品質保証を行なう設備を拡張。半導体製造の前工程のみならず後工程でも需要が高まるポリイミドなどの新規開発を加速するとともに,品質保証体制をより強化する。
なお,いずれの設備も2025年の稼働予定。設備投資額は約45億円としている。