【OPIE’23】香港パビリオン

光総合技術展示会「OPIE’23」（4月19日～21日パシフィコ横浜）では海外出展社の大幅な増加があり，特にパビリオンを形成して出展する国・地域が目立っている。今回出展した5つの海外パビリオンのうち，香港（香港パビリオン B-10）は，8社から構成されている。

同パビリオンは，オプトメカロトニクスの業界団体である香港光機電行業協会（HKOMIA）と，学際的な立場から香港の産業競争力の向上を支援する香港生産性評議会（HKPC）が協力しての出展となっていた。

香港ではこうした団体が政府からの強力な支援によって企業の海外進出を後押ししているが，業界団体のメンバー以外の企業もその恩恵を受けられるといい，今回，そうした企業も参加している。

出展企業のうち，APAS（HONG KONG Automotive Platforms and Application Systems）は，香港特別行政区政府によって設立された組織で，産学で協力して自動車に関する技術開発やその成果の商業化を進めてきており，現在はHKPCの一部になっているという。

今回，HKPCが開発した「AI強化型車載生命存在検知システム」を紹介した。このシステムは高度なレーダーアルゴリズムにより，眠っている赤ちゃんでも，呼吸や胸の動きを検出することで発見するというもの。子供やペットが車内に放置される事故を未然に防ぐとしている。

同社はLiDARやAIを用いた自動運転にも知見があり，リサーチや技術開発も担う。こうした事業を通じて日本の自動車産業への進出を狙っていると言い，OPIEを通じて同社に興味を持つ企業とコンタクトしたいとしている。

GRANT TOP LIMITEDはEV向けモーターおよびモーター制御システムをOEM供給している。次世代のEVトラック向けのSiCデュアルモード駆動制御システムを開発しており，今回OPIEの会場でその製品を展示した。

Diffractive Opticsは，照明からカメラまで幅広いポートフォリオを持つレンズメーカー。製造だけでなく光学設計も担う。ガラスだけでなく樹脂のモールドレンズやミラーなども手掛け，主な製品としてVRヘッドセット，監視カメラやプロジェクター，計測システム，内視鏡要レンズ，また高出力レーザー用収束ミラーなどを手掛けている。

工場は中国にあり，ロボットによる製造工程によって，民生用であれば月に数千万個を超えるようなオーダーにも対応するとしており，日本企業との取引実績もあるという。

Larix Industriesは，セキュリティや測量といったアプリケーション向けの低照度CCDカメラシステムのメーカー。特長として，低コスト，コンパクトサイズ，高解像度，高ダイナミックレンジであるとともに，製品設計のサポートも行なうという。小口販売も歓迎しており，日本における販売代理店も募集している。