オンセミは,照明条件が厳しいアプリケーションで求められる組み込み型ハイダイナミックレンジ(eHDR)および近赤外線(NIR)応答機能を搭載するイメージセンサ「AR0822」を発表した(ニュースリリース)。
この製品は,2.0μmピクセル積層構造の1/1.8インチ(対角8.81mm)8メガピクセル(MP)裏面照射型(BSI)CMOSデジタルイメージセンサ。3840×2160のアクティブピクセルアレイを備え,4K動画を60fpsで撮影できるほか,ローリングシャッタ方式で画像をリニアモードまたはeHDRモード(120dB)でキャプチャする。
こうした特長によりユーザーは,高度な画像処理が求められる市場トレンドに対して,省エネルギーを意識したソリューションと長いバッテリ寿命で応える,強いバリュープロポジションを作ることができるとする。
また,最近のイメージセンサが直面する大きな課題のひとつに,制御不能な光条件下での動作要求がある。具体的には,ハイダイナミックレンジ(HDR)での撮影,つまり,極端に明るい部分と暗い部分を持つ画像の撮影がある。
多くのHDR技術は,露光が異なる最大3枚の画像をイメージシグナルプロセッサ(ISP)に送信して合成する多重露光出力を使用しているが,この方法では特に解像度が高い場合は,最大3倍のシステム帯域幅と高価な部品が必要になる。
この製品はセンサにHDR機能が組み込まれており,システム帯域幅とプロセッサ消費電力を削減しながら,動きやちらつきのある光源に対して補正する露光組み合わせによるインテリジェントな線形化を通じて,卓越した画質も提供する。
IoTアプリケーションの低電力動作およびバッテリ寿命の延長に対応するため,大部分のカメラは,非アクティブ時に低電力モードで動作することで電力を節約し,動きを検出すると通常動作を再開する。これらのシステムでは一般的に,動きを検出するためにセンサとプロセッサの両方が動作する必要がある。
この製品はウェイクオンモーション機能を使用して,センサ上の動きをインテリジェントに検出できるため,センサが動きを検出してプロセッサを動作モードに復帰させるまで,プロセッサは低電力スタンバイモードに留まることができる。
さらに,高いNIR感度やビニング/ウィンドウイングなどの高度なカメラ機能も備えている。過酷な環境にも対応できるように設計されており,動作温度範囲は-30℃~85℃(接合部温度)。正規販売代理店を通じて既に販売中だとしている。