浜松ホトニクスは,半導体製造・検査装置やLiDAR向け光半導体素子の後工程(切り出し・組立・検査工程)の生産能力を増強し売上拡大に対応するため,新貝工場(静岡県浜松市)に新棟を建設する(ニュースリリース)。
同社は,医療や産業,自動車などのさまざまな分野に光半導体製品を供給している。近年,半導体製造・検査装置向けイメージセンサの需要拡大が続いており,今後も売り上げ増加が見込まれているという。また,自動車用のLiDAR向けフォトダイオードの市場拡大も期待されるとして,今回,新貝工場に新棟を建設し後工程の生産能力を増強する。
新棟建設により,イメージセンサやフォトダイオードの生産スペースを拡張し,需要の拡大に対応する。また,新棟と2つの既存棟を接続し新貝工場のクリーンルームを一体化するこ
とで,人や物の移動を効率化し生産性を高めるとともに,デジタルトランスフォーメーションによる製造工程の自動化と省人化を図る。
新棟は,事業継続計画に基づく地震対策や水害対策を建物構造に取り入れることで災害対策を強化するとともに,断熱構造や太陽光発電設備などの環境対策を積極的に取り入れた設計とした。なお,今回の新棟建設により,新貝工場での大型設備投資は完了する。
今後,光半導体のさらなる需要拡大が見込まれることから,前工程(プロセス工程)では本社工場に新棟を建設し,従来の直径6インチよりも面積の大きい直径8インチのシリコンウエハーに対応した製造工程を,2025年9月期までの3年間で確立する。
後工程では,今回の投資を含めキャパシティの拡充を進め生産体制を強化することで,10年後には光半導体事業の売上倍増を目指すとしている。
新工場の概要は以下の通り。
建築構造:鉄骨造 地上4階
建物面積:建築面積 3,82m2,延床面積 13,343m2
総 工 費:約75億円
収容人員:約100名
生産品目:イメージセンサ,フォトダイオード
生産能力:約300億円(売上高換算)