ニコン,高解像顕微鏡モノクロデジタルカメラを発売

ニコンソリューションズは,高解像な広視野画像の取得ができる顕微鏡モノクロデジタルカメラ「Digital Sight 50M」を2023年2月1日に発売する(ニュースリリース)。

創薬研究では,膨大な数の候補化合物の中から,適切な作用を持つ化合物を選別し,生細胞を使用した評価を高速に行うハイスループットスクリーニングによって,有効性や安全性の確認が行なわれており,新たな薬剤創出の過程では,大量のデータを効率よく取得・解析することが課題となっている。

これに対し,ニコンは今回,創薬研究における大量の細胞スクリーニングに特化し,6000万画素の高解像な広視野画像が取得できる、顕微鏡モノクロデジタルカメラ「Digital Sight 50M」を開発した。

6000万画素の広視野画像を取得し,高精度な解析を実現したことで,細胞培養で用いられるウェルプレートのような大量の標本を扱う際,一つひとつのウェルをワンショットでとらえ,撮影位置を変えることなく,任意の箇所を高倍率で画像取得できる。倍率変更時の撮影位置の調整が不要なため,細胞スクリーニングの時間短縮や効率化に貢献するという。

従来製品の顕微鏡モノクロデジタルカメラ「DS-Qi2」と比較して,蛍光感度を約1.5倍向上させ,微弱な光も取り込める。少ない露光時間で,標本へのダメージを抑えた画像取得が可能となる。

標本の任意の箇所を指定して高速撮影できる「ROIモード」を搭載。このモードを使用すると,最大フレームレートは225.9fps(640×480画素)で画像取得でき,動く標本の高速なシグナルを逃さず,効率的にとらえることができる。

画像統合ソフトウエア「NIS-Elements」(別売)と組み合わせることにより,顕微鏡にウェルプレートを設置するだけで,画像取得から解析結果表示までのフローを自動化できる。さらに,細胞の密度や分布が不均一な箇所や,あらかじめ指定した条件を満たした箇所を自動検出する機能など,研究目的にあわせた効率的な解析が可能だとしている。

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