日本板硝子(NSG)は,マレーシアにおいて,太陽電池パネル用透明導電膜(TCO: transparent conductive oxide)付きガラス製造設備の新設投資を計画していることを発表した(ニュースリリース)。
この計画は,マレーシア国内を中心に建築用ガラス,自動車用ガラスの製造・販売を行なっている同社グループ拠点であるマレーシアン・シートグラス(Malaysian Sheet Glass SDN BHD)のジョホールバル工場にあるフロート窯でオンラインコーティング設備を新設するもので,稼働後に太陽電池パネル用TCOガラスを生産する。
生産開始は2024年3月期第4四半期の予定(この投資は,製品販売契約の締結と政府による認可,インセンティブの提供が条件となる)。
この投資は,薄膜太陽光パネルの世界的メーカーであり,同社と長期間にわたる協力関係をもつ米ファーストソーラーの生産拡張方針に沿って進められるもの。同社はアジアにおいて,既存のベトナム,マレーシア拠点に加え,インドでの生産拠点も建設中だという(2023年下期稼働予定)。
同社グループでは,戦略的パートナーであるファーストソーラーをはじめとする太陽光パネルの世界的な需要増大に対応するため,2020年1月にベトナムで2窯目の太陽電池パネル用ガラスの専用フロートラインを稼働させたほか,同年11月には,米オハイオ州ラッキーでも新工場を稼働させており,製品はいずれもファーストソーラーに供給されているとしている。