浜松ホトニクスの電子管光源の生産子会社の光素は,生産能力を増強するため建設していた第2棟が完成し,2023年4月より稼働を開始すると発表した(ニュースリリース)。
浜松ホトニクスは1987年,電子管事業における光源の売り上げ拡大に対応するため,生産子会社として光素を設立した。2010年には現在の工場を新設し,分散していた生産機能を集約し供給体制をさらに強化することで,市場の拡大に対応してきた。
現在光素では,浜松ホトニクスが販売する重水素ランプやキセノンフラッシュランプ,キセノンランプなどの電子管光源の9割以上と,高感度な紫外線センサーであるUVトロンを生産している。
近年,先進国のみならず新興国においても食の安全や健康への意識が高まっていることから,食品や薬品の成分分析装置に使われる重水素ランプの需要が拡大している。また,中国を中心に市場が拡大している環境分析装置向けのキセノンフラッシュランプや半導体の検査装置向けキセノンランプ,火災警報器向けのUVトロンなどの売り上げも増加しているという。
このため,新棟を建設し生産能力を年間売上高換算で約2倍まで増強することで,今後の需要拡大に対応する。新棟建設により,生産スペースの拡張に合わせ工場全体の生産工程の最適化を図るとともに,生産体制の強化に向け人員を増強していく。また,今後開発が見込まれる新製品の生産に対応するためのスペースを確保したとしている。
新棟の概要は以下の通り。
工費:約37億円
生産品目:重水素ランプ,キセノンフラッシュランプ,キセノンランプなど各種電子管光源および光半導体素子応用光源製品
生産能力:約10億円(年間売上高換算)