リコー,近赤外線分光方式樹脂判別センサーを開発

リコーは,手軽に樹脂(プラスチック)材料の判別が行なえる,小型・軽量の近赤外線分光方式樹脂判別ハンディセンサー「RICOH HANDY PLASTIC SENSOR B150」を開発した(ニュースリリース)。

成形しやすく丈夫なプラスチックは,人々の生活のあらゆる場面で使用されているため排出量が多く,適切な分別・リサイクルが急務となっている。しかし,回収時に異なる種類の素材が混在している場合,コストや技術面からリサイクルの難易度が高く,現状では樹脂の判別にあたり高価な設備や熟練者の知識が必要であるため,結果的に焼却処分等にせざるを得ないケースがあるという。

同社は独自技術の応用により,近赤外線分光方式樹脂判別センサーの大幅な小型化および低コスト化を実現。この製品は,重さ290g以下,縦76mm,横50mm,奥行き154mmと軽量・小型で持ち運びに便利だとし,ストラップ用のフックがセンサー本体側にあるため,手首から下げるなど携帯でき,落下防止にも役立つ。

また,この製品は測定ボタンを押下し,約2秒で樹脂の種類を判別。本体とAndroidのスマートフォン向け専用アプリをBluetoothで接続し,本体を測定したい樹脂にあて,測定ボタンを押すだけで,判別結果をスマートフォンで確認できる。あらかじめ登録してある7種類の樹脂(PE,PP,PVC,PS,PET,ABS,PC)の判別が可能なほか,利用者自身で樹脂の登録が行えるユーザー登録機能も搭載する。

さらに,樹脂の専門的な知識を持たない人でも簡単に判別できるため,熟練者の同行や持ち帰り確認などの業務負荷の低減や,時間の節約が可能。燃焼によって発生する煙や臭気での判別と比較して,火気を使わないため安全に,人体への影響も抑えて判別できる。

このセンサーは,廃プラスチック排出事業者や中間処理業者など向けに,プラスチックのリサイクルに携わる業務用途として開発したもので,4月よりユーザー向けの実証実験を開始するとしている。

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