島津製作所は,マイクロフォーカスX線検査装置「Xslicer SMX-1010」「Xslicer SMX-1020」を国内外で同時に発売した(ニュースリリース)。希望販売価格は「SMX-1010」が2398万円,「SMX-1020」が2530万円(ソフトウェア込み,税込み)。
マイクロフォーカスX線検査装置は,マイクロフォーカス(微小焦点)X線管球とX線検出器によって非破壊でワーク(検査対象)の内部を解析・検査できる。これらの製品は,クラス最高の画素数を備えたフラットパネル検出器(「SMX-1010」は150万画素,「SMX-1020」は300万画素)を搭載し,高解像度かつ広視野での観察が可能。HDR機能を標準搭載している。厚みや材質の異なるワークにおいても一度の撮影で最適なコントラストの画像を得られ,ボイド(空隙状の欠陥)など内部構造の視認性が向上するとしている。
また,最新ソフトウェアにより操作性を向上させ,ワークの交換から観察までの工程を簡略化し,従来23秒かかった交換後の検査開始までの時間をわずか5秒に縮めた。検出器の取込速度およびステージ移動速度の向上により検査時間を短縮しているという。
さらに,CTユニット(オプション品)を使えば,透視検査だけでなく3次元解析も可能。校正作業の自動化により簡単にCT撮影ができる。また,パノラマ撮影機能では,最大3200万画素のX線透視画像が取得でき,基板など大型ワーク全体を1枚の画像で検査できるとしている。
なお,これらの製品の専用サービスとして,高額消耗品であるX線管球の従量課金サービス「NDI-X線従量課金サービス」を導入。年額の基本料金および追加料金(上限のX線照射時間を超えた場合)を支払うことで,検査装置全体の初期購入価格を抑えられるという。