キヤノンは,非接触測長計「PD-704」の販売を開始した(ニュースリリース)。価格はオープン。
金型を介して素材を成形するプレス装置を導入している生産現場では,金属材のコイルなどの部品が装置内のベルト上で搬送される際に生じる移動量や速度のわずかな誤差により,プレス時の部品不良や金型破損が生じてしまうという課題があるという。
この製品は,測定対象物の画像を連続で取得し,その取得した画像(プロファイル)を相関(マッチング)させ,その変位量から移動量や速度を算出するプロファイルマッチング方式を採用。この方式により,非接触でありながら,最大100Gの高加速度にも追従できるため,生産ラインの急停止や急加速時に生じる,部品のわずかな変化を測定できるという。さらに,±15mmの縦揺れにも対応する光学系の採用により,移動中に上下の揺れが生じても安定して測定可能だとしている。
また,接触式の計測機器に比べ,測定対象物に接触せずに測定できるため,測定時の部品への傷や汚れを防止するとともに,測定誤差の原因となる装置内での滑りや摩耗が発生せず,測定対象物を厚みの異なるものに入れ替えた際のダウンタイムも少なくメンテナンスも容易だという。
非接触計測時の光源に,レーザーではなくLEDを用いることで,レーザー放射に伴う安全配慮を行なう必要がなく,設置負荷を軽減。加えて,センサー部分と信号処理部分を一体化させた構造により,装置内や生産ラインに容易に組み込むことができる。
用途に応じて防水オプション(別売り)を用いることで,水や油が飛んだりちりが舞ったりする生産現場でも使用可能。住宅建材,押出成形,鉄鋼,車載用部品などを取り扱う生産ラインやエレベーターの保守,切断機の稼働点検など幅広いニーズに対応するとしている。