光ファイバー製造装置,未来技術遺産に登録

日本電信電話(NTT)が運営する「NTT技術史料館」所蔵の「VAD法光ファイバー母材製造装置」および「F-32M-1形端局中継装置」が,2019年9月3日に国立科学博物館の「重要科学技術史資料(未来技術遺産)」に登録された(ニュースリリース)。

「VAD法光ファイバー母材製造装置」は,日本独自の光ファイバー量産製法確立に貢献した。「F-32M-1形端局中継装置」は,光ファイバーを用いた伝送路にて世界で初めて商用化された中継機となる。今回この2装置が,日本の科学技術の発展を示す貴重な技術史資料であると評価された。

1970年代,国内で本格的な研究開発が始まった光ファイバー通信は,実現に向けてさまざまな分野の研究開発が進められた。そのなかでも,今回注目されたVAD法は光ファイバーを量産するための技術で,NTT(当時は日本電信電話公社),古河電気工業,住友電気工業,フジクラ(当時は藤倉電線)が1977年に考案した。

VAD法により,光ファイバーのもととなる光ファイバー母材を安定的・効率的・経済的に製造することが可能となり,1つの母材から1,000~2,000km分の光ファイバーを作製できるまでに高められていった。また,F-32M-1形端局中継装置は,光ファイバー伝送路に初めて商用導入された中継機として,国内の光ファイバー通信網形成の基盤になるとともに,伝送方式の分野で世界をリードしてきたという。

なお,登録証および記念盾授与式は2019年9月10日に国立科学博物館にて開催される。

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