富士通,路面診断サービスに目視機能を追加

富士通交通・道路データサービスは,スマートフォンを活用したクラウド型簡易路面診断サービス「道路パトロール支援サービス」(道パト)の機能強化として,舗装の「ひび割れ」および「わだち掘れ」目視補助機能を今年度下期より提供開始する(ニュースリリース)。

このサービスは,パトロール報告書自動作成・出力機能の他,スマートフォンに内蔵された加速度センサーで車両走行中に自動的に道路の凹凸データを収集し,地図情報と組み合わせて舗装の劣化状況を可視化することで,日常点検の効率化および修繕箇所の優先度決定を効率的に実施できるサービス。2019年8月現在,53団体80サイト(国道,都道府県,市町村)で利用されている。

国の直轄国道や都道府県および政令市管理道路の維持管理においては,従来,舗装の健全性を表す3要素の「平坦性」「ひび割れ」「わだち掘れ」を基に算出する舗装の評価指数「MCI」が利用されてきた。MCIの算出には,路面性状調査車によるこの3要素の計測が必要で,高額なコストおよび計測から結果算出までに数か月を要していた。

また,2017年には国管理版の道路舗装点検要領が改定され,特に国道においてはMCIによる評価方式から「目視を基本としつつ,必要に応じて機器を用いることを妨げない」点検方式になり,都道府県や政令市等では行政の継続性の観点からMCIおよび3要素に対するニーズが引き続き多く存在している。

このサービスは2013年より平坦性の解析機能を提供,また2018年には動画を活用して目視での舗装点検を効率的に行なえる「舗装目視点検の動画活用サービス(動画活用サービス)」をオプションとして提供している。

今回新たに提供を開始する「ひび割れ」および「わだち掘れ」目視補助機能は,ひび割れ(3段階の区分)およびわだち掘れ(大/小)による目視補助のための情報表示機能を付加するもの。スマートフォンおよびドライブレコーダーを用いた簡易な方式を採用し,コストを抑えつつ計測後即日結果が得られる。この機能により舗装の健全性を表す3要素がすべて利用可能となる。

提供時期は,ひび割れ目視補助機能が2019年10月,わだち掘れ目視補助機能が2019年下期を予定。なお,このサービスのオプション機能の「舗装目視点検の動画活用サービス」を契約すると,追加費用不要で利用可能となるとしている。

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