浜松ホトニクスは,光半導体モジュール製品の売上拡大に対応するため建設していた本社工場14棟が完成し,2019年7月26日に竣工式を行なった。(ニュースリリース)。2019年10月から稼働を開始する。
同社は,医療,産業,科学計測,自動車などのさまざまな分野に光半導体素子,および光半導体素子に回路や光学部品,ソフトウェアなどを組み合わせた光半導体モジュール製品を供給している。近年,容易に自社製品へ組み込むことができる光半導体モジュール製品への要求が高まり,医療機器向けのMPPC(Multi-Pixel Photon Counter)モジュールをはじめ,産業機器や分析機器向けなどの売上拡大が見込まれている。
この工場では,本社工場内に分散していた光半導体モジュール製品の開発部署を集約するとともに生産エリアを集約し拡張することで,光半導体モジュール製品の開発の迅速化と生産能力の拡充を図る。また,光半導体製品の倉庫および出荷機能を三家工場からこの工場に移転することで,受注,調達,倉庫,出荷までの物流機能を本社工場に集約し,業務の効率化,情報の共有化を図り,顧客対応の迅速化を進める。
さらに,この工場への部署集約により発生した既存棟の空きスペースをイメージセンサーなどの光半導体素子の生産工程として利用し,生産能力の増強を図るという。
この工場は,事業継続計画に基づく地震対策や防水扉などの水害対策に加え,非常用電源を取り入れることで災害対策を強化するとともに,LED照明や断熱壁構造および太陽光発電設備の設置などの環境対策も取り入れた建物となっている。この工場棟の生産能力は約100億円(売上高換算),総工費は約28億円だとしている。