SCREENホールディングスは,ディスプレー製造装置および成膜装置の生産能力増強を図るため,同社彦根事業所内に新たな工場を建設することを決定した(ニュースリリース)。
近年,ディスプレー業界では,中国を中心に大型液晶テレビ,スマートフォンなどの販売が好調に推移している。また,高画質なフレキシブルディスプレーは,高性能化,薄型化が要求されるウエアラブル端末や電子ペーパー,車載用ディスプレーなどへの活用に期待が寄せられている。さらに,電気自動車を中心とするエコカー市場は一層伸展すると見込まれており,リチウムイオン電池をはじめとする2次電池の需要は,今後も拡大することが期待される。
これらの市場環境の動向を受けて同社は,中長期的な事業の継続と成長を目指し,生産体制の増強を図ることを決定した。総工費約20億円の投資となる新工場は,大型化の進むディスプレー製造装置に対応できるほか,より微細化が求められる有機ELディスプレーをはじめとするフレキシブルディスプレー製造装置の生産に対応できる清浄度を実現する。
また,2次電池用塗工装置や,グループ会社の「SCREENラミナテック」が手掛けるディスプレー後工程装置の製造にも対応。本年3月に設立した中国・常熟の合弁会社「SCREEN FT Changshu」と併せ,グループとしての生産能力を拡大するとともに,組み立て費や物流費用を含む諸費用を削減することで,収益改善を目指すとしている。
なお,同工場は2018年10月の竣工を予定している。