三菱ケミカルは,ベトナムの首都であるハノイに,デジタル印刷機器用有機感光体(Organic Photo Conductor,OPC)の製造販売を行う現地法人を設立することを決定した。商業生産の開始は2019年度末を予定している(ニュースリリース)。
ラベル・パッケージ等で印刷の多様化が進んでいる昨今の印刷業界においては,オンデマンド印刷・バリアブル印刷に対する世界的な需要が高まっており,これらに用いられるデジタル印刷機の市場も年々拡大している。
ベトナムは,いわゆるチャイナプラスワンの戦略として,OA機器メーカー各社が相次いで進出した結果,今や東南アジアにおける印刷機製造の一大拠点となっている一方,ベトナム国内にはOPCサプライヤーがいないため,OA機器メーカーは,使用するOPCを全て輸入により調達しているのが現状。
こうした状況を踏まえ,今般,需要が旺盛なベトナムにOPCメーカーとしては唯一となる製造拠点を設けることにより,これまで以上に迅速で安定的に製品を提供するとともに,今後成長が見込まれるデジタル商業印刷という新市場へ積極的に展開するとしている。