X線ミラーのジェイテックコーポレーション,マザーズに上場

X線ナノ集光ミラーの製造・販売を行なうジェイテックコーポレーションは,2月28日に東京証券取引所マザーズに上場した(発表資料)。

同社は,オプティカル事業及びライフサイエンス・機器開発事業の二つの事業を柱としている。このうちオプティカル事業における主要製品は放射光施設及びX線自由電子レーザー施設向けX線ナノ集光ミラー。ビームラインと呼ばれる大型の集光装置内で使用されている。

2015年時点で,世界の放射光施設は66か所・X線自由電子レーザー施設は4か所あり,各放射光施設の保有するビームライン数を30本とすると,世界には約2,000本のビームラインが存在すると同社では推計している。そのうち先端的な放射光施設が約20か所あり,最先端のビームラインは約600本存在すると推計。さらに,2018年から最先端世代がさらに増設の予定となっている。

以上の展開により平成30年6月期の業績は,売上高1,223百万円(前期比 52.6%増),営業利益419百万円(前期比 153.3%増),経常利益417百万円(前期比 109.3%増),当期純利益288百万円(前期比122.0%増)と前期比増収増益を予想している。

ライフサイエンス事業における主要製品は各種自動細胞培養装置,その他自動化装置。同社の創業来の事業であり,創薬スクリーニングに関連する細胞培養から,再生医療に関連する細胞培養まで様々な細胞操作を自動化した各種自動細胞培養装置やiPS細胞用の各種細胞培養装置の開発・製造・販売を推進している。

iPS細胞の研究が進み再生医療への関心が高まる環境下,再生医療に必要とされる細胞培養にも関心が高まっており,汎用型の培養機器を中心に各研究機関や製薬メーカーを始め,直接的には製薬に関わっていないような企業からも引き合いがあるという。

こうした結果,ライフサイエンス・機器開発事業の売上高は前期比108.1%増の200百万円を見込んでいる。なお,平成30年6月期第2四半期累計期間までの売上高は,今期より本格的に販売を開始した汎用型機器の販売が好調に推移していることもあり,概ね当初想定していた水準通りに進捗しているとしている。

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