矢野経済研究所は,カメラメーカー,カメラ応用画像システム・機器メーカー等を対象として,世界のCMOS/CCDカメラ,カメラ応用画像システム・機器市場の調査を実施した(ニュースリリース)。
その中で,2016年のCMOS/CCDカメラ世界出荷台数(メーカ出荷台数ベース)は40億5,000万台と推計。内,CMOS カメラが40億600万台,CCDカメラが4,400万台と,CMOSカメラが全体の98.9%を占めた。
CMOS/CCDカメラは今後もスマートフォン等の成長に加え,産業(非民生)用の個人認証・HMI(Human Machine Interface)用,車載用,監視・モニタリング用などの需要分野で伸張することで,世界出荷台数は,2009年から2020年までの年平均成長率(CAGR)が12.8%で推移し,2020年には52億2,000万台に達するものと予測する。
2016年のCMOS/CCDカメラ世界出荷台数の内訳は,スマートフォン用が28億5,692万台で70.5%,タブレットPC用が 3億6,925万台で9.1%,フィーチャーホン(携帯電話)用が2億9,301万台で7.2%の順となり,それら上位3品目で全体の86.8%を占める。
過去20年以上に渡り,世界のCMOS/CCDカメラ搭載システム・機器の動向を見て感じられるのは,CMOS/CCDカメラの
役割が「目視」から「画像処理」へと大きく変化してきており,それが市場に大きく影響を与えていることだという。
これまでの画像システム・機器は,人間が「目視」で利用することを目的として進化してきた。主に民生用の品目が該当し,ホームビデオ,デジカメ,フィーチャーフォン(携帯電話)等の出荷台数はマイナス成長に転じている。
それらに比べて,「画像処理」での利用を前提とした産業(非民生)用の品目は,民生用に比べて出荷台数(個数)こそ少ないものの,今後,堅調な成長を遂げていくと予測している。ここにきて,監視・モニタリング用,個人認証・HMI用,FA/マシンビジョン用,医療・福祉用,車載用などの需要分野のカメラを搭載した画像システム・機器が注目され始めているとしている。