センサーデバイス市場,IoTやドローン,自動運転向けが拡大基調へ

富士キメラ総研は,センシング技術の進展による測定対象や範囲の広がりに加え,センサーそのものの小型化や低価格化,低消費電力化,高感度化の実現により,IoTの主要構成ツールとして搭載数が増加しているセンサーの世界市場を調査し,その結果を報告書『2017 センサーデバイス/ビッグデータ・IoT市場調査総覧【上巻】センサーデバイス編』としてまとめた。

この報告書では,光・電磁波センサー6品目,音波・磁気センサー2品目,機械的・物理的センサー7品目,熱的・時間空間雰囲気センサー10品目,ケミカル・バイオセンサー4品目,生体センサー4品目,その他センサー2品目について市場の現状と将来予測がされている。

■センサーの世界市場概要
図1 センサーの世界市場の推移(※グラフの中のその他には音波・磁気センサー,ケミカル・バイオセンサーも含まれる)
図1 センサーの世界市場の推移
(※グラフの中のその他には音波・磁気センサー,ケミカル・バイオセンサーも含まれる)

それによると,センサーの小型化・低価格化に伴い,市場は拡大を続けており,今後も様々な分野で需要増加が予測されている。

需要分野別では,電子機器向けの構成比が大きく,今後もドローンやスマートウォッチなどセンサー搭載アプリケーションの増加によって成長するものと見られている。

特にスマートデバイス向けの圧力センサーや指紋センサーが注目されている。また,医療/ヘルスケア向けに健康管理や予防医学などの用途で需要が増えているとし,ヘルスケアバンドに搭載される紫外線センサー,加速度センサー,脈波センサーなどが大きく伸びると見ている。

車載部品向けではADAS(先進運転支援システム)によるセンシング需要の増加とともに,自動運転の実現に向けた動きの後押しもあり,順調な伸びが予測されている。中でも車載カメラで使用されるCCD/CMOSイメージセンサー市場が注目されている。

また,FA(Factory Automation)/PA(Process Automation)向けがIoTへの対応で活発化しているため,今後は多様なセンサーの活用が進むと見られている。社会インフラ向けは新興国での上下水道関連や構造物のヘルスモニタリング用途の需要増加が予測されている(図1)。