セイコーエプソンは,フィリピンの製造子会社Epson Precision (Philippines),Inc.(EPPI)に新工場を増設,竣工した(ニュースリリース)。新工場の増設によって,EPPIでは,インクジェットプリンターおよびプロジェクターの生産能力の強化を図る。
新工場は,2017年度までに総額約1億4,300万USドルを投資し,2015年1月に着工,最新鋭かつ最高効率のオペレーションを実現する工場とするべく建設を進め,このほど完成した。新工場の最大の特長は,約3,000kWの最大出力を持つメガソーラー発電設備を建物の屋根部分に設置,環境に配慮した工場となっている点。
同社は,主に中国,インドネシア,フィリピンにインクジェットプリンターおよびプロジェクターの生産拠点を有しているが,中長期的な事業戦略のもと,今後の生産拡大に向けた増産体制を整備する必要が生じている。
インクジェットプリンターについては,現在同社が注力している大容量インクタンク搭載プリンターが新興国市場を中心に急成長しているほか,高速ラインインクジェット複合機/プリンターなどのオフィス向けインクジェットプリンターも着実な伸びを示しており,今後も生産数量の大幅な増加を見込んでいる。
また,プロジェクターについては,企業向けや教育向け,商業利用など用途の拡大,新興国市場への浸透などにより,同社ビジュアルコミュニケーション事業は確実に成長を続けている。同社は500 lm以上のプロジェクターにおいて,世界シェア16年連続No.1メーカーであり,今後も生産数量の増加を見込んでいる。
EPPIは,このような生産数量の増加に対応し,従業員数も現在の約14,400人から,最終的には20,000人の体制を想定している。