宇宙航空研究開発機構(JAXA),国立環境研究所,環境省は,温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」(GOSAT)の観測データに基づくメタンの全大気平均濃度データを公開した(ニュースリリース)。
3者が共同で開発した世界初の温室効果ガス観測専用の衛星である「いぶき」は,平成21年1月23日の打上げ以降,現在も観測を続けている。
今回,二酸化炭素に次いで地球温暖化に与える影響の大きい重要な温室効果ガスであるメタンについて,「いぶき」観測データを使って,地上から上空までの「地球大気全体(全大気)」の平均濃度を算出した。
その結果,月別平均濃度は晩秋・冬に極大,初夏に極小という季節変動をしながら年々上昇し,平成29年1月には過去最高の約1815ppbを記録した。
さらに推定経年平均濃度は平成27年頃に増加率が上昇し,平成29年2月には過去最高の約1809ppbに達したこともわかった。
このような地球規模のメタン濃度の動向は「いぶき」の観測によって今回世界で初めて示されたものであり,衛星による温室効果ガス観測の重要性を表すものだとしている。