阪大ら,ゲルマニウム中のスピン散乱の詳細を解明


大阪大学と東京都市大学の研究グループは,次世代の半導体チャネル材料として応用が期待されている「ゲルマニウム:Ge」と,高性能なスピントロニクス材料を高品質に接合した微小スピン素子を用いて,ゲルマニウム中のスピン流伝導におけるスピン散乱現象の詳細を明らかにした(ニュースリリース)。

これまで、電流を伴わない純スピン流をゲルマニウム中に生成し,輸送・操作・検出という一連の過程を高い信頼性で電気的に検出した報告は非常に少なく,そのスピン伝導メカニズムの詳細は明らかにされていなかった。

今回の研究では,ゲルマニウム中の不純物ドーピング量を意図的に変化させた複数の素子を用いて,純スピン流伝導を高感度に検出した結果,ゲルマニウム中のスピン伝導が,不純物原子がつくるスピン軌道相互作用を介したポテンシャルの影響を受けて散乱されることを実験的に突き止めた。

これは,最近提案された理論と整合するものであり,ゲルマニウムスピントロニクス素子の実現に向けた重要な物理が解明され,半導体素子の高速化と低消費電力化に近づいたことを意味しているとしている。

キーワード:

関連記事

  • 東北大ら、円偏光を用いた共鳴非弾性X線散乱による磁区識別法を開発

    東北大学、早稲田大学、大阪公立大学は、円偏光を用いた共鳴非弾性X線散乱(RIXS)による新たな磁区識別法を開発した(ニュースリリース)。 交替磁性体は全体としての磁化がゼロでありながら、スピンの分極した電子バンドを持つた…

    2025.11.26
  • 京大,スピン歳差運動をテラヘルツ光で読み出す技術を開発

    京都大学の研究グループは,強磁性体におけるスピン(磁化)歳差運動の情報を,テラヘルツ(THz)光の偏光回転として直接読み出すことに成功した(ニュースリリース)。 近年,情報処理技術の高速化と省電力化を目指し,電子のスピン…

    2025.11.06
  • 京大,磁化歳差をテラヘルツ光で読み出す技術を開発

    京都大学の研究グループは,強磁性体におけるスピン(磁化)歳差運動の情報を,テラヘルツ(THz)光の偏光回転として直接読み出すことに成功した(ニュースリリース)。 従来,磁化の超高速ダイナミクスの検出には,磁気光学効果やT…

    2025.10.30
  • 東北大ら,Ge半導体に適した電極を発見し接合に成功

    東北大学と産業技術総合研究所は,層状物質であるテルル化ビスマス(Bi2Te3)薄膜とn型Geを反応させることで,非常に電気が流れやすい界面の形成に成功した(ニュースリリース)。 現在のスマートフォンやパソコンの性能を支え…

    2025.08.01
  • 北大,光の回転が物質を動かす仕組みを解明

    北海道大学の研究グループは,光が物質に与える,回転の力(光トルク)の源である角運動量を,スピンと軌道の二つに分け,それぞれの損失量を個別に測定・解析できる新たな理論を提案した(ニュースリリース)。 光には,まっすぐ進むだ…

    2025.06.10

新着ニュース

人気記事

編集部おすすめ

  • オプトキャリア