NECは,光パス(光信号の経路)の到達距離拡大と通信容量の増加を両立できる次世代光ノード技術を開発した(ニュースリリース)。この技術はネットワークを有効活用することで,次世代の超大容量光ネットワークの堅牢性向上を実現するもの。
今回,通信の経路切り替え装置である光ノード内の光フィルタにおいて,フィルタの帯域幅を広帯域化し,到達距離を低下させる帯域狭窄を大幅に低減する光フィルタ技術を開発した。また,広帯域化した光フィルタを通過する光信号を高精度に制御して信号の欠損を抑え,光パスの到達距離を向上させる光波長制御技術を開発した。
さらに,通信を中央でコントロールするネットワークコントローラにおいて,送信する光信号に設定されるガードバンド(空白帯域)の割り当てを制御し,限られた帯域で光パス数を増加させるガードバンド制御技術も開発した。
これらにより,従来と比較して光信号の伝送距離を1.5倍に拡大するとともに,光パス数の増加による空き容量を25%向上した。
この技術により,災害時など,急激な需要変動や障害が発生した際,空いている容量に,到達性の高い光パスの追加割当が可能となるため,障害復旧性能に優れた,災害時でも止まらない堅牢なネットワーク環境の実現に貢献するとしている。