パルステック工業は世界最小・最軽量のポータブルX線残留応力測定装置「μ-X360s」を開発,10月12日~15日,東京ビッグサイトで行なわれた宇宙・航空関連展示会「国際航空宇宙展2016」(JA2016)に出展した。価格は1,200万円。高額な製品のため,レンタルによる貸出も行なっている。
金属製品の応力の測定は後の破断などのトラブルを未然に防ぐためにも重要となるが,大型のX線装置が必要になるなど実際に測定するのは難しい。この製品は,X線残留応力測定装置としてヘッド部が世界最小(W114×H107×D213(mm),重量約2.4kg,前モデルの約1/2)を実現しており,装置を持ち運ぶことで大型の構造物も現場で測定できるほか,内径170mm以上の管内部ならばヘッドを入れて測定もできる。
この製品は測定方法をこれまでのsin2ψ法からCOSα法にと変更した。sin2ψ法は1つの測定ポイントに対して複数の方向からX線を照射する必要があったが,COSα法は一か所(ビームスポット:Φ2mm)でよく,1点の調査速度も60秒と従来機種の1/5となった。X/Yステージと同期させることでマッピング測定も可能。
同社のX線残留応力装置は国内の殆どの自動車メーカーの他,ティアワンと呼ばれる部品の一次サプライヤーにも採用実績があるという。今後はさらなる高度な安全基準を設ける航空機市場への参入を目指したいとしている。