横河電機は分布型として位置分解能に優れたBOCDA方式のファイバーセンサーの試作品を,10月12日~15日,東京ビッグサイトで行なわれた宇宙・航空関連展示会「国際航空宇宙展2016」(JA2016)に出展した。
1.55μmのシングルモードレーザーを光源とするブルリアン散乱を用いたBOCDA(Brillouin Optical Correlation Domain Analysis)方式の温度センサーで,高速・高分解能なのが特長。出展した試作品は,位置分解能30mm,温度分解能1度(測定範囲-50~800度),測定速度最大6.25msとなっている。
同社ではこの製品をジェットエンジンの熱測定(タービンケース・排気ガス)に利用できないか提案をしている。従来ジェットエンジンの燃焼データは熱電対を用いて行なわれているが,より精密な温度分布を確認するにはファイバーセンサーによる測定が理想的となる。
試作品はガラス製ファイバーを耐熱ジャケットで覆ったものとなっている。ジェットエンジンの熱測定には1,000度以上の耐熱が欲しいとしているが,現在のところガラスがその温度までもたないという。
しかし,航空機メーカーではこの製品に興味を持っているといい,同社では改良を進めて数年以内の製品化を目指したいとしている。