ロームはテラヘルツ帯で連続発振が可能な共鳴トンネルダイオード(RTD)を開発。IT・エレクトロニクス総合展示会CEATECにて,5.6mm-CANパッケージのテラヘルツ発振・検出デバイスとして試作品を展示した。
これはRTDが持つ負性抵抗によって電磁波強度を増幅し,テラヘルツを発振するもので,東京工業大学教授の浅田雅洋氏との共同研究による。
チップが0.5mm角と超小型なため,従来のレーザーや周波数逓倍器を用いたテラヘルツ光源よりも格段(体積1/1,000,消費電力1/3,000:一般的なテラヘルツ光源との比較)に小型化することに成功した。0.25~0.4THzの間の任意の波長で設計することが可能。出力は20μWと従来の光源の1/5程度だが,小型な分アレイ化することで補うことも可能となっている。
既に量産化の目途は付いており,近いうちに製品化に踏み切る。価格は未定だが,従来の数百万円という価格帯から数段安くなることが期待できる。