オリンパスは,過酷な環境下でも金属や鉱物などの高精度な成分分析を可能にするハンドヘルド蛍光X線分析計「VANTA(ヴァンタ)」シリーズを,2016年9月から世界で順次発売する(ニュースリリース)。
蛍光X線分析計は,対象物に含まれる成分(元素)の種類や含有量を測定できる非破壊検査機器。その中でもハンドヘルド蛍光X線分析計は,小型・軽量でさまざまな対象物をその場で簡単に測定できるのが特長で,製造現場の品質検査やリサイクル原料の選別,有害金属の調査など幅広い場面で使用されている。同社では多様な検査ニーズに対応する「DELTA(デルタ)」シリーズを展開している。
今回発売する「VANTA」シリーズは,「DELTA」の後継シリーズとなる。ハンドヘルド蛍光X線分析計として初めて防塵・防水性能規格「IP65」を実現するなど高い堅牢性と耐久性を有し,過酷な環境下でも使用することができる。
また,最新の電気回路の導入による低ノイズ化を実現したことで,微量な元素までさらに素早く高精度に判別することが可能になった。さらに,従来比4割増の700種類以上の合金品種ライブラリーを搭載し,合金の品種と番号をわずか数秒で判定できる。これらにより,対象物の成分分析をより迅速かつ高精度に実施することができ,検査の効率化に貢献するとしている。