ソニーは,4KやHDの映像・制御信号を,光ファイバーケーブルのシンプルな配線で低遅延伝送できるIPコンバーター「NU-IP40S」,「NU-IP40D」と,その管理ソフトウェアであるネットワークシステムマネージャー「NU-NM11B」を10月1日に発売する(ニュースリリース)。オープン価格。
4K医療機器の普及に伴い,各機器をつなぐ映像ケーブルはHDに比べて4倍に増えることになり,また,異なる映像インターフェースを持つさまざまな医療機器が混在することなどから,今後はシステムの設計・施工が非常に複雑になると予想される。
IPコンバーターは,4K医療機器を含むさまざまな映像機器とつながり,入力から出力までの映像信号をIP化することで,光ファイバーケーブル1本での映像・制御信号伝送に対応する。これにより,シンプルな配線でのシステム構築を可能とする。
映像圧縮方式に,独自の低遅延と高画質を同時に実現する圧縮方式であるLLVC(Low Latency Video Codec)を採用。これにより,4K映像を圧縮して伝送する場合でも6msまで遅延を抑えて伝送できる。
さらに,映像伝送のコア技術に放送業務用分野で培ったAV伝送インターフェース「ネットワーク・メディア・インターフェース」を採用し,低遅延かつ高画質の映像伝送を可能にする。
光ファイバーケーブルは二重化が可能で,断線など不測の事態に備えることができる。ファイバーケーブルカテゴリーOM3では300メートル,カテゴリーOM4では550メートルの長距離伝送が可能。ライブ手術などを見学する院内の離れた場所への映像伝送をサポートする。
同社は,昨年発売を開始した4Kレコーダーや4K液晶モニター,ネットワーク経由で手術映像などのデータファイルを管理するコンテンツマネジメントシステムに加えてこの製品を導入することで,4K映像の記録,表示,伝送まで,4K化を見据えた院内4K映像システムを提案していく。