徳島大,CT半導体レーザーコンソーシアムを結成


徳島大学では,CT半導体レーザー吸収法のコンソーシアムを結成し,実用化に向けた活動を推進している(ニュースリリース)。

地球温暖化,化石燃料の枯渇,環境汚染などへの対策が必要となっていることは人類の共通認識であり,福島原子力発電所の事故以降,様々な分野で地球環境保全やエネルギー有効利用を達成することが急務な課題となっている。

このような背景から,自動車や火力発電プラント等のように燃焼現象を応用する機器などにおいて,燃焼構造やその過渡的な振舞いをよりいっそう詳しく解明して,地球環境保全やエネルギーの有効利用に繋げる必要がある。

このニーズに対応するためには,現象をより詳 細に観察することが必要となるが,そのためには観察に必要な“先端技術の目” を開発することが重要となる。この中でも,温度分布や成分分布は重要なパラメータであり,これらを可視化して2次元,3次元的に“見る”ことが求められる。

徳島大学では,この“先端技術の目”を具体的に実現するため,大学院理工学研究部出口祥啓教授を中心として,光通信などに使用されている半導体レーザーと医療分野で活用されているコンピュータートモグラフィの技術を融合させた新しい“先端技術の目「CT半導体レーザー吸収法」を開発してきた。

この技術は,リアルタイム(数十KHz)で温度,濃度の2次元・3次元分布を“見る”ことができる画期的なもの。徳島大学では,この技術の実用化を加速するため,徳島大学を中心としてコンソーシアムを結成し,実用化に向けた活動を平成26年度にスタートした。

コンソーシアムは,自動車会社(5社),重工業メーカー(2社),レーザメーカー,計測機器メーカー,研究機関などによって構成されており,エンジン,ボイラーなどへの適用で成果を得ている。現在,各種のエネルギー機器の高度化への実用化や保有ライセンスの供与などを進めている。