SCREENファインテックソリューションズ(SCREEN FT)は,フレキシブルディスプレー用ポリイミド塗布装置「SK-Pシリーズ」を開発(ニュースリリース)。販売を2016年3月から開始した。
有機ELディスプレーは,ガラス基板だけでなく,プラスチック系のポリイミドを用いたフレキシブル基板に形成させることができる。ポリイミドを用いたフレキシブル基板は,薄くて軽く,柔軟で丸めることもできるため,高性能化,薄型化が要求されるウエアラブル端末や電子ペーパー,車載用ディスプレーなどへの活用に期待が寄せられている。
しかし,現在のフレキシブル基板の製造工程においては,材料のポリイミドを,大サイズのガラス製支持基板に薄く均一に塗布することが難しく,フレキシブルディスプレー量産化への大きな課題になっている。
このような動向を受け,同社は,2013年から高粘度材料の塗布技術の開発を開始。世界シェアの約8割を誇るコーターデベロッパーで培った塗布・乾燥技術とノウハウを承継,活用し,光の透明度や乱反射に影響を与えるポリイミド内の微小なごみや気泡の発生を抑える技術を確立。厚さ約10㎛のポリイミドを均一に塗布することに成功した
最大サイズは,第6世代と呼ばれる1,500mm×1,850mmまで対応でき,これを120秒以下で塗布処理することが可能。高品質なポリイミド膜が塗布できる,歩留まり向上を実現した装置となっている。
同社は,今回の製品の発売により,需要の拡大が見込まれる次世代ディスプレーに対応した,ポリイミド塗布システムの業界標準を目指すとしている。