富士キメラ総研は,「AWS」などのメガクラウドサービスに代表されるIaaS/PaaSの需要増加などにより拡大を続けているデータセンタービジネスの国内市場を調査し,報告書「データセンタービジネス市場調査総覧 2016年版(上下巻)」にまとめた(ニュースリリース)。
それによると,2015年の市場は1兆7,585億円となった。2020年には2015年比29.8%増の2兆2,820億円が予測される。2020年に2015年比2.7倍の5,263億円が予測されるIaaS/PaaSを中心に,ハウジングや通信回線サービスなども伸びるとみる。一方,ホスティングは微減となり,全体に占める割合は縮小すると予想する。
東京五輪に伴うビル建設ラッシュの影響による建設技術者不足などにより,データセンターの建設が停滞する2017年に市場は縮小するが,以降は回復に向かうとみる。2020年にはビル型データセンターの建設が大幅に増えるため,それに伴いITプロダクトやファシリティの需要も増加し,全体で2015年比14%を超える拡大を予想する。
ITプロダクトはサーバー,ストレージ,スイッチが好調。サーバーはクラウドベンダー向けの需要増加により伸びている。また,新規システム開発やシステム更改を契機とした導入増加も期待する。ただし,クラウドサービスの利用増加に伴うサーバー集約化の進行により伸長率は鈍化するとみる。
ストレージはIaaS/PaaSやオンラインストレージ向けが伸びている。今後はHDDよりも性能が高いオールフラッシュアレイを採用する事業者が増えるとみる。スイッチはクラウドサービスの需要増加,データセンターを利用するISPの提供サービス拡大に伴い伸びている。今後,イーサネットファブリックやSDNといった,仮想化に対応したネットワークを構成するための高機能スイッチの需要が高まるとみる。