島津製作所は,紫外可視分光光度計の新製品「UV-1850」を4月20日に発売する(ニュースリリース)。価格は150万円(ソフトウェア込み,税別)。
紫外可視分光光度計は,試料を透過あるいは反射した紫外光・可視光を検出することで試料中の物質の同定や定量を行なう装置。大学や官庁,製薬,化学,食品など,幅広い分野で研究開発や品質管理に用いられている。
このうち製薬業界では,海外展開にともない,各国の薬局方に対応するハードウェアとソフトウェアが必須であり,他の分析装置と一括したデータ管理も求められている。
新製品は,各国の薬局方に対応する分解能1nmを実現しながら,分析能力を向上させて信頼性を高めた製品。米国FDAの電子記録・電子署名に関する規則「FDA 21CFR Part 11」に準拠した制御用ソフトウェアや,同社他機種を含めてデータ・ユーザーを一括管理できるネットワークシステムへの対応も特長となっている。
装置内の分光部で特定の波長の光を取り出す素子として,同社の紫外可視分光光度計の最上位機種にも搭載されている自社製の低迷光回折格子「ローレライ」を採用。液体やフィルム,薄膜など,多様な試料を精度良く測定でき,同社前機種比で一部の紫外域における迷光性能が約2倍に,測光繰り返し精度は3~5倍に向上したとしている。
幅450mm×奥行490mm×高さ270mmというコンパクトなサイズながら,スタンドアロン機としてもPC制御機としても使用することができ,データを本体から直接USBメモリへ保存することもできる。オプションの溶出試験システムや自動測定システムなどを本製品と組み合わせることで,分析の効率化や目的に応じた専用機化を図ることができる。
同社は,2016年度に国内で本製品450台の販売を目指すとしている。