矢野経済研究所では,国内外のIT事業者(SIer等),通信事業者(キャリア),MVNO(Mobile Virtual Network Operator:仮想移動体通信事業者)やMVNE(Mobile Virtual Network Enabler:MVNO 事業者を支援する事業者),デバイスメーカー,ユーザ企業等を対象として,国内のM2M市場の調査を実施した(ニュースリリース)。
それによると,2014年度の国内M2M市場は堅調に推移しており,累計金額ベースで1,490億円となった。2015年度はM2M回線ビジネスでの上位事業者が順調に業容を拡大した他,ビジネス環境が整ってきたMVNOにおいても,多様なサービスが開始された。2015年度の同市場規模は累計金額ベースで1,620億円と見込む。
2014年度末の国内M2M累計回線数を分野別にみると,エネルギー関連が410万回線(構成比27.0%)と最も多かった。エネルギー分野については,スマートメーター関連での需要が牽引し,回線数が増加している。スマートメーターの設置拡大などスマートハウス関連需要の増加,電力自由化などの追い風もあり,今後も更なる拡大を見込む。
国内M2M市場は,2016年度以降も依然としてエネルギー分野が牽引役となり,全体としては拡大基調が続くものの,今後はM2M回線あたりの単価が低下する見通しであることから,2020年度の同市場規模は累計金額ベースで2,000億円になると予測した。