オリンパスは,科学事業の新製品として,共焦点レーザー走査型顕微鏡「FV3000」「FV3000RS」の2機種を2016年7月から世界で順次発売する(ニュースリリース)。
共焦点レーザー走査型顕微鏡は,蛍光色素を導入したサンプルをレーザー光で走査(スキャン)しながらサンプルから発する微弱な蛍光を検出することで,細胞内の微細な構造を高コントラストな立体画像として得ることができる。同社は,共焦点レーザー走査型顕微鏡と多光子励起レーザー走査型顕微鏡を,「FLUOVIEW」(フロービュー)シリーズとして展開している。
新製品は,「FV1200」の後継機。高速スキャナーの搭載により,最大で毎秒438枚の画像を取得できる。これにより,組織内の血液の動きや細胞間のシグナルの伝播など,組織・細胞内で起きている高速な反応を捉えることが可能。
また,蛍光を高効率で波長ごとに分ける分光光学系と高感度で光を捉える検出器を搭載した。これらにより,細胞から発する微弱な蛍光を感度よく捉えることが可能になり,わずかな光しか発しない暗いサンプルでも,鮮明な蛍光観察を実現する。
新しく搭載した分光機構で,蛍光試薬などで重なった部分を高精度に色素ごとに分離でき,細胞内部の反応を正確に把握できる。さらに,新開発の時間管理システムを使用すれば,撮影の途中でスキャンする範囲やレーザー光の切り替えを行なえるなど,さまざまな観察パターンを正確に実行する。これらにより,生体組織内や細胞内部の観察の信頼性を高めることができるとしている。