浜松ホトニクスは,光半導体素子の売上拡大に伴う後工程(組立・検査)の生産能力増強を目的として,新貝工場に新1棟を建設する(ニュースリリース)。総工費は約28億円。新棟建設の地鎮祭は4月5日に執り行ない,2017年2月に竣工の予定。
同社は,やがて来るIoT(Internet of Things)時代に向けて提唱されている「トリリオン・ センサー社会」(毎年1兆(トリリオン)個のセンサを活用する社会)への対応として,需要が拡大している光半導体製品の後工程(組立・検査工程)の生産能力を増強する。
同社では,様々な市場にセンサーとしての光半導体素子を供給している。近年では,不可視(X線検出)画像,自動車,およびヘルスケアなどの用途における需要が拡大している。また,センサー需要の拡大と共に,センサーの実装体積を最小化する傾向となっており,薄型・小型・軽量の製品が求められてきているという。
新棟では,需要が拡大している不可視画像用途の手荷物検査装置向けX線検査用素子や,自動車の衝突防止・自動エアコン・自動ライト・自動ワイパー・車内光通信用途などの受発光素子,医療機器向けのMPPC®(Multi-Pixel Photon Counter)およびヘルスケア用途のウェアラブルセンサーなどの生産を行なう。
大量生産を前提とした生産ラインを構築し,樹脂モールドパッケージ,チップオンボードパッケージ,プリモールドパッケージなどの組立工程および検査工程を計画している。
新棟建設に伴い,既存の3号棟と合わせた新貝工場全体の生産能力を,月産400万個から月産1,000万個に増強する。新貝工場では現1号棟(管理棟)と3号棟(製造棟)の2棟が既に稼働しているが,新棟に管理機能を統合し,老朽化が進んでいる現1号棟を撤去する。これにより,新貝工場全体の災害対策を強化し,事業継続力の強化を図っていく。