パナソニック,LED照明向けポリプロピレンを開発

パナソニックは,LED照明の長期使用,軽量化や高輝度化に貢献する光拡散性ポリプロピレン(PP)樹脂成形材料「FULL BRIGHT(フルブライト)PP」を開発,2016年4月より量産を開始する(ニュースリリース)。

一般にLED照明の光源周辺に輝度の均一化を保つために拡散板を設置する。現在,この拡散板の素材としてポリカーボネートやアクリル系樹脂が多く使用されている。しかし,LED光源の設置環境が多様化する中,拡散板の素材にはさらなる耐光性,耐水・耐湿性、耐薬品性,高温での色調維持や強度が求められるだけでなく,軽量化も求められている。

この製品は,射出成形に加え,光拡散性PP樹脂成形材料では困難だった射出延伸ブロー成形にも対応する。アプリケーションに応じた複雑な形状加工が可能で設計の自由度が向上する。

従来実現できなかった0.5mmの薄肉成型が可能(加工による厚み精度10%未満を達成)で,MFR(流動性)は25g/10min(同社従来品 320g/10min),従来PP樹脂成形材料の課題であった耐光性を克服し,LED照明の長期使用に貢献する。比重は0.93(ポリカーボネート1.2と比較し,同じ体積で比較した場合重量を30%軽減)となっている。

アプリケーションとして,高い意匠性や複雑な加工および耐久性が求められるLED照明(自動車などの車室照明,屋外看板,店舗照明,水周り照明),デジタルサイネージなどを想定している。