ウシオ電機,ハンディタイプの紫外線治療器を発売

ウシオ電機は,世界で初めてエキシマフィルターを搭載した紫外線治療器「セラビーム®UV308」(2008年発売)のハンディタイプ「セラビーム®UV308 mini」(保険適用申請中)を,2016年2月1日より販売する(ニュースリリース)。

この製品は,乾癬,白斑,アトピー性皮膚炎などの患部に308nmの紫外線,エキシマライトを照射して処置する紫外線治療器「セラビーム®UV308」のハンディタイプ(本体が6kg,ハンドピースが1kg)として,臨床に携わる多くの皮膚科医からの要望を受け開発したもの。

「セラビーム®UV308」は,同社と名古屋市立大学の3年にわたる共同研究により2008年に製品化され,現在,世界6か国で約500台が使用されている。同製品に使用されている「エキシマUV光源」は,同社が世界で初めて産業用として実用化に成功したもので,世界で約90%のシェアを持っている。

共同研究では,動物実験や培養細胞実験において,紫外線を波長ごとに研究した結果,300〜310nm前後の紫外線が光線治療においてより有効であることが明らかになった。

この研究結果をふまえて,新製品は,311nm付近を照射する従来の蛍光灯による紫外線治療器とは異なり,より効果の高いと考えられる308nm付近の紫外線を採用した。同時にリスクのある短波長域を,「エキシマフィルター」で制御することで,患部に対する効果的かつ安全性に配慮した照射を可能とした。

また,従来の蛍光灯による紫外線治療器に比べ,コンパクトな光源を採用することで,装置を小型化するとともに,限定的な患部に照射ができるようになった(照射エリア50mm角)。

全身の症状は殆ど改善したものの,局所的に難治性の皮疹が残っている患者は,まわりの皮膚を傷つけることなく,患部だけを効果的に照射する治療を必要としており,新製品はこのような患者にも安心で効率的な治療を提供するとしている。