富士フイルムの半導体材料の製造・販売子会社である富士フイルム エレクトロニクスマテリアルズ(FFEM)は,台湾での現地生産体制を拡充するため,台南市に先端半導体材料を生産する新工場を建設する(ニュースリリース)。
新工場は,平成28年8月に稼働させる計画で,まずは現像液の生産から開始する予定。
IoT時代の本格的な到来を迎え,半導体市場は今後も大きく伸張することが見込まれている。このような中,台湾には世界的に高い生産シェアを誇る半導体の受託製造(ファウンドリー)メーカーなどが集積しており,今後も台湾は半導体製造の大集積地として成長することが予想されている。
同社は,平成8年に台湾の新竹市にFUJIFILM Electronic Materials Taiwan Co., Ltd.を設立。現像液の生産からスタートし,その後フォトレジストやCMPスラリー,イメージセンサー用材料など生産品目を拡充させてきた。
また平成26年には,最先端のNTI用現像液などを生産する第二工場(新竹)を稼働させるなど,現地生産体制を整え,拡大する先端半導体材料の需要に対応してきた。
今回,同社は、多くの顧客の工場が集まる台南市の工業団地(サイエンスパーク)内に,先端半導体材料を生産する台湾第三工場を建設する。顧客に近い立地を活かして,顧客サポート力の強化とサプライチェーンの短縮化を図る。
また,生産拠点を複数にすることによりリスク分散体制を構築し,天災時などでも顧客に対して先端半導体材料を安定的に供給するとともに,今後も台湾で拡大する先端半導体材料の需要に応えていくという。
今後,日本およびアジアにおいて同社は,静岡・台湾(新竹)・中国(蘇州)・韓国(天安)の既存生産拠点に台湾第三工場(台南)を加えた生産体制の下,先端半導体材料の安定供給と高い品質管理をより一層強化することで,顧客満足度をさらに向上させていくとしている。