住友化学,有機EL向けタッチパネルを増産へ

住友化学は,情報電子化学部門の韓国拠点である東友ファインケムで,有機ELパネル向けタッチセンサーパネルの生産能力を現行比約1.4倍に増強することを決定した(ニュースリリース)。

住友化学の有機ELパネル向け製品の能力増強は今回で3度目。新ラインによる量産開始は2016年10月を予定している。同社は2011年にタッチセンサーパネル事業に参入して以降,カラーフィルター製造で蓄積した技術を生かした,より薄いタッチセンサーパネルの開発を進めてきた。

有機ELパネルは,液晶パネルと比べ,バックライトが不要のため,省電力で薄くて軽い上に,画像の明暗において高コントラストで応答速度にも優れることから,スマートフォンに有機ELパネルを採用するセットメーカーが増加している。また,有機ELパネル市場が拡大するなか,パネルメーカーは,次世代のフレキシブルディスプレイの開発を進めている。

同社は,有機EL材料分野において,これに対応するフレキシブルなタッチセンサーパネル,カバーガラス代替材料,バリアフイルムなどの開発に注力し,早期事業化を目指すとしている。

同社は,「ICT」分野を次世代事業開発における重点領域の一つと位置付けており,今回のタッチセンサーパネルの生産能力増強に加えて,同製品のフレキシブル化など,高機能化と製品ラインナップ拡充に取り組むことで,情報電子化学部門の新たな中核分野として事業のさらなる拡大を図っていく。