日本電気硝子,熱膨張係数のバリエーションを揃えた基板ガラスを発売

日本電気硝子は,様々な熱膨張係数を有し,優れた平坦性を兼ね備えた半導体用サポートガラスを開発し,サンプル出荷を開始した(ニュースリリース)。

次世代半導体パッケージ技術として期待されるFOWLP(Fan Out Wafer Level Package)のように,半導体と再配線層や樹脂など,熱膨張係数の異なる材料を同一基板上で組み合わせる工程では,熱膨張の違いによる反りを防ぐため,その組み合わせに適した熱膨張係数をもつ基板が必要となる。

今回開発した半導体用サポートガラスは,こうしたニーズに対応する基板として,熱膨張係数がシリコン基板と同程度の3.3ppm/°Cから,樹脂比率の高いパッケージに対応する10ppm/°C超のバリエーションを取り揃えた。半導体パッケージの設計材料に合わせて最適なガラスを選択することができる。

2016年第1四半期からFOWLP用途での量産販売を開始し,2016年度は10億円の売上を見込む。さらには,家電分野や産業機器分野で使用が拡大しているパワーデバイスなどの半導体関連製品の製造工程用サポートガラスとしても用途開発を進め,2018年度には年間30億円の売上を目指すとしている。

製品概要は以下の通り。
●製品寸法: 直径 300mm×厚さ0.55~1.00mm
●表面平坦度: TTV(面内肉厚偏差)2μm以内
●熱膨張係数: 3.3~11.0ppm/°C(20~260°C)
●その他特性: 透明で光を透過するため,UV硬化樹脂などの使用にも対応
●量産販売時期: 2016年第1四半期(予定)
*上記以外の仕様も応相談