日立ハイテクノロジーズは,4,6,8インチ(直径100mm,150mm,200mm)のウエハーサイズに対応した高分解能FEB測長装置(測長SEM)「CS4800」を開発した(ニュースリリース)。
8インチ以下のウエハーで製造された半導体デバイスは,世界の半導体生産量全体の45%を占めており,家電や携帯電話といった民生機器のほか,自動車や鉄道など社会インフラを支える幅広い分野で利用されている。また通信デバイスや各種センサーなど,今後成長が期待されるIoT(Internet of Things)市場を支える半導体デバイスとして重要性を増している。
同社は,半導体製造プロセスで形成される微細パターン寸法を高精度に計測し,半導体デバイス製造の生産性向上に貢献する測長SEMで世界トップシェアを誇り,なかでも6,8インチウエハー対応の測長SEMについては,1984年の発売以来2000年代初頭までに約2,300台を納入し,保守サービスを行なってきた。
しかし近年,装置の老朽化に伴い,保守部品の安定供給やアフターサービスの維持・継続が課題となっていた。そのため,同社の実績ある高精度・高速計測機能を搭載し,既存装置の更新ニーズに対応した新型測長SEMを開発した。
この製品は,同社がこれまで培った最先端の計測技術を搭載することにより,二次電子分解能および計測再現精度を向上している。また,計測オペレーションを自動化することで,既存ラインの生産性向上に寄与する。さらに,簡易な切り替え作業により,最大2種類のウェーハサイズの自動搬送が可能であるとともに,炭化ケイ素(SiC)や窒素ガリウム(GaN)などさまざまな材質に対応し,多品種量産の半導体デバイス生産に対応する。