工学院大学の研究グループは,スマートフォン上で映像のリアルタイム再生が可能な,超解像技術の開発に世界で初めて成功した(ニュースリリース)。
これは,従来の理論的限界を超える高精細化の技術を応用した取り組みで,富士通との共同開発により実現したもの。
工学院大学が開発した超解像技術は,多くの放送・映像メーカーから高く評価されており,国際的にも注目されている。その技術をベースに,今回,スマートフォン上で映像のリアルタイム再生が可能となる先進的な超解像技術を世界で初めて開発した。
一般に,超解像技術は複雑な処理を必要とし,映像信号をリアルタイム処理するためには,ハードウエア上の動作に限られてきた。今回の超解像技術は,一般的には用いられていなかった,独自の非線形信号処理方式を採用することで,スマートフォン上でソフトウエアによる動作を実現した。
この超解像技術の搭載により,かつてないレベルの高精細化を実現し,ボケ感のないくっきりと鮮明な映像をスマートフォンで楽しむことができるという。この方式は,映像のナイキスト周波数を超える高精細成分の画像を再生可能とすることにより実現した。
この成果は富士通との共同研究により製品化され,「arrows NX F-02H」として販売される。
関連記事「京大,多重染色/高精細観察が可能な超解像顕微鏡法を開発」「ニコン,超解像顕微鏡の新製品を発売」「オリンパス,共焦点レーザ走査型顕微鏡で約120nmの超解像技術を開発」「キャスレーコンサルティング,光学顕微鏡像を100nmスケールで鮮明化」