三菱電機は,レーザーセンサーやレーザー照明などを採用した三菱モービルマッピングシステム(MMS)を搭載した「路面性状計測車両」を製品化し,2015年10月に市場投入した(ニュースリリース)。
この車両は,「適切な精度で計測処理できる性能」が認められ,今年7月に一般財団法人土木研究センターが実施した「路面性状自動測定装置の性能確認試験」に合格している。
現在,舗装路面は「路面性状自動測定装置」が測定した距離精度・わだち掘れ・平たん性・ひび割れの計測データから判定された維持管理指数をもとに管理されている。
同社は今回,これら路面性状の計測データに3次元空間位置データを付加し,より高度な調査・管理を実現すべく,MMS機能を有する「路面性状計測車両」を開発した。
一般的なMMSは,道路の維持管理に必要な道路台帳附図作成業務をはじめとした公共測量やトンネルの調査点検などに活用されているが,センチメートル級の座標精度を活用した「いつでも同じところ」を計測できる技術で,路面管理分野への参入を目指すとしている。
この製品は3次元空間位置データを用いた計測で,路面の経年変化の調査・管理が容易になっており,路面性状を計測しながら自動的に3次元空間位置データに紐付けし,計測作業を効率化できる。また,位置情報を含む計測データを蓄積することで,経年劣化のモニタリング精度を向上した。
計測機器に小型のレーザー照明とラインカメラを採用し,小型車両(SUV車)への搭載を実現している。機動性の高い小型車両は狭い道路でも走行可能で,計測可能な道路範囲が拡大した。
検査用照明に通常の白色照明を使用する場合,一定の光度があると道路維持作業用自動車の自治体申請が必要となるが,赤色のレーザーライン照明を採用したことで,この製品は購入直後から使用するととができる。